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ハリーポッターの魅力を解説!

一世を風靡したハリーポッター。名前を知らない人などいないというほどの人気っぷりでした。硬い表紙の分厚い小説が7巻まであって、さらにひとつの巻が2冊にわかれていたりと、子供向けとは思えない恐ろしい量の文章が書かれている小説。映画化されると11年間にわたってほとんどキャストの変更なく演じられ、大人子供を問わず、世界中で大ヒットした作品です。

最近では、19年後のハリーの息子たちのホグワーツ生活を描いた「ハリーポッターと呪いの子」の舞台がついに2022年に日本でも上演されることになりましたね。

 

私も本気で本気でハマった時代がありました。映画を見漁って、小説を片っ端から読み漁って、それを何度も繰り返していました。決して子供向けのおとぎ話ではない、むしろ大人になってからの方が奥深さを理解して楽しめる小説だと思います。

とても良い作品なのでぜひ多くの人に知ってほしいなと思い、おすすめポイントを書こうと思います。

 

①単純にストーリーとして魅力的。

魔法!海外の学園生活!勧善懲悪!

こんなに魅力という魅力を詰め合わせたストーリーもなかなかないでしょう。

「魔法」に惹かれない人間などいません。

マグル(非魔法族)に生まれた少年が、ある日自分が魔法使いだと知らされて、魔法の世界に入っていくのです。(この設定に、どれほど夢を見た少年少女が世界にいたことか!)そこでは魔法学校の1年生として0の状態から魔法を習い、どんどん成長していくその7年間の学校生活を描いた物語です。その点が、単純な異世界ではなく「一人の人間が未知の世界に戸惑いながらも一人前に成長していく様」として描かれ、学園生活を最初から最後まで追体験できるストーリーと相まって、感情移入しやすさもあるのでしょう。

 

②世界観や内容の設定がしっかりしている。

正直映画だけ見たら、ツッコミどころも多いです。(あの膨大な内容を2時間程度にまとめるんだから仕方ない!)でも小説を読むと、どれもなるほど…と納得させられる理由がある。伏線という伏線が7巻にわたってゆっくり必ずどこかで回収されていきます。

話が進んで複雑になってきても矛盾が起きないってすごいなと単純に思うのですが、実は、作者のJ.K.ローリングは、1巻目が映画化される前に、すでに最終巻を書き終わっていたのだそうです。もちろんそれは金庫にしまって誰の目に触れさせることもありませんでしたが、唯一それを読んでもらったのが、スネイプ先生を演じたアラン・リックマンだそう。これを読んで、すべての背景を知ってから1巻でのスネイプ先生を演じてほしかったと話しています。いかにスネイプ先生が複雑な背景を持ち、鍵を握る人物だったかわかりますね。

 

魔法の世界を描くのって難しいと思うんです。「魔法」=「なんでもできる」って誤解しがちだけれど、それじゃあ設定は成り立たない。(ロンのお父さんにも、「マグルはすぐに魔法で楽しようとする」って言われてましたよ!笑)

その辺のルール設定がすごくしっかりしているんですよね。

例えば魔法界にも厳しい法律がある。その元で魔法を使っているから、何でも思い通りにはいきません。それに、一つひとつの魔法を使えるようになるには、勉強や訓練が必要です。だからわざわざ魔法学校に7年間も通って勉強するんです。

杖を振って願いを唱えれば何でも思い通りに!なんて話はありません。杖の振り方とか、呪文のアクセントや発音とかあるみたいです。薬一つだって頑張って勉強してうまく調合しないと作れません。失敗して事故を起こしたりしながら習得していく泥臭さは、わたしたちと同じですね。

 

また、登場人物の背景も良く練られています。「この世の人間は、良い魔法使いかデスイーター(悪)かだけではないんだ。」とシリウスがハリーに諭すシーンがありますが、その通り。悪い人は生まれつき悪いわけではありません。どうしてその道を行くようになったのか、何を正義としているのか。そこに生まれや育ちなどの細かい背景まで設定されていることで、キャラクターへの理解が深まります。

シリーズを通して史上最強でただの悪であるはずのヴォルデモートのことすら、ダンブルドアは「我々の助けの及ばない、同情すべき生き物」であると話します。そんなところまで読者も考察し、理解して同情できるくらい、小説を読んでいると深い背景がわかります。魔法使いの話ということで世界中を虜にしましたが、そんなところがただのフィクションを超え、逆に人間の物語として生々しく描かれていて深く魅力的に感じます。

 

③意外と現実味がある。

魔法界を描いた作品なのに現実味って矛盾していると思われると思いますが、一度しっかり小説を読んでもらえればわかってもらえると思います。

リアルな細かい設定のおかげだと思いますが、魔法が使えるだけであとはこの世界と同じようにできている妙な既視感というか、親近感がわくのです。

そのほかにも、学園生活を見ているうちに、あるあるってくすっと笑ってしまうようなところがたくさんあるのも楽しみポイント。

学年が上がるにつれてレポートに追われ始めたり、選択授業があるけど成績が悪く希望の科目が選べなかったりとか。進路に悩む姿とか。正しい行いは加点、悪い行いは罰則や減点とされて、寮対抗で闘うところもです。口答えしたいけど、寮全体の減点となるから言えない…みたいな。やや横暴ですけど、子どもだからって自由奔放に生きられるわけじゃない、悔しい思いして権力に屈して我慢することだっていっぱいあるんだっていうあの高校生くらいのときの気持ちも思い出されます。

友達の悪口言ってたら聞かれちゃったとか、先生の噂をしてたらその場にいたなんていう誰でも経験ありそうな些細なことから、まじめな話だと、政治家や「大人」の汚さとか、魔法界にも出自による差別があったり。

人間関係だって、思い通りにいかないことがたくさんです。唯一無二の親友であるハリーとロンも何度も仲間割れします。あるよね、どんなに親友にだって不満を持つことだってある、それがある日爆発することも。恋の悩みはもちろん。

あの、生粋の悪として描かれていたマルフォイが、成長するにつれてそんな自分や家族に疑問をもち葛藤する姿も印象的です。

人間臭いですね、彼らも別の生物ではなく、魔法使いである前に人間です。そんなところにも焦点を当てているからすごく良い。

 

④根本は愛の物語。愛と勇気と自己犠牲と。

家族愛、友情、師弟の信頼関係、血縁関係もない人たちとの家族のような絆…。そんなものもたくさん描かれている、というか、話の根本は常にそこです。

 

言わずもがななハリー・ハーマイオニー・ロンの固い友情は、もう家族をも超えるほど。ハリーが最後、魔法界の命運を担って学校をやめ、旅に出なくてはならなかった時は、ロンとハーマイオニーもそれぞれ家や学校を離れてハリーについていくことを決めました。ハーマイオニーは旅に出る前、自分の両親に忘却の呪文をかけ、自分の存在を忘れさせました。

 

物語のすべての始まりは、ハリーが1歳の時に、無敵の闇の魔法使いヴォルデモートが何の力もないハリーを前に砕け散ったこと。ヴォルデモートはハリーの謎の力の秘密をの血眼になって探しますが、それはほかでもない、ハリーの母が自らの命を賭してハリーを守った「愛の力」によるものであったり。最強の魔法使いを打ち負かしたのは、どんな闇の魔術も及ばない、愛だったのです。愛を知らずに育ったヴォルデモートには理解できない、想像も及ばないものでした。

 

家族のいないハリーも、ダンブルドアシリウスをはじめ、マクゴナガル先生やルーピン先生など学校の先生たちや、親友ロンの家族、そしてなんだかんだ育ててくれたダーズリー家の親戚や、スネイプ先生からさえも、形は違えど愛を受け、守られて育ちます。そして、その愛をしっかりとハリー自信も受け止め、子どもたちへと繋げていくのです。

 

最後の戦いでは、ホグワーツ城を舞台に、ヴォルデモートたちとハリーたちが全面的に戦いますが、その戦いの中でも多くの仲間たちが命を落としていきます。そんな中で、戦いを終わらせるため、これ以上の犠牲者を出さずヴォルデモートを滅ぼすためには、自分が死ななくてはならないと知ったハリー。世界のため、ハリーはその事実を飲み込み死を受け入れます。

 

自分を犠牲にするって簡単なことではないし、まして命なんてそうそう投げ出せない。もちろんあくまで小説のなかの話ではあるけれど、自分を犠牲にしても良いと思えるほど大切なものがあるって素晴らしいですね。

 

⑤イギリスの建造物や文化、景観を堪能できる。

ホグワーツ城での学校生活は憧れますが、実際のイギリスの学校はあんな感じの建物も多いです。実際に高くそびえたつ塔を頂いた城(修道院?)と見まがうような校舎があったり、芝生の広い校庭があったり。あの教授陣と学生たちが一堂に会する大広間での食事は、Oxford大学の食堂をモデルにしたものであることは有名ですね。

日本では珍しいbording school(寄宿学校)も、イギリスでは普通です。

 

特に最後の方では、舞台を学校の外へ移すので、イギリスの自然や街並みも少し楽しめます。

ところで、ハリーポッターの映画の影響で、イギリスはいつも雪の降る寒いイメージがありますが、実は北部以外はめったに雪は降りません。でもホグワーツ城の雪景色は最高だったな。

 

あの、やり方を知らなければ絶対に流せないトイレ(天井から下がっている紐を引く)とかもイギリスらしくて良いなと思いました。イギリス文化にもっと詳しくなればさらに楽しみが増しそうです。

 

⑥子役たちの成長を11年間にわたって世界が見届けた。

11年間にわたって主要キャストの変更がほとんどなかったのは奇跡的で、ファンにとってはうれしい限りです。世界中が、みんな親戚のおじさんおばさんの気持ちで見ていたんではないでしょうか。

物語の中とはいえ、「お前は魔法使いだ」と言われてきょとんとしていたあの11歳の美少年ハリーが成長し、背が伸びて顔が変わり、声も低くなり、どんどんたくましくなっていく姿を見るのは何とも言えない感慨深さもあります。何せ、ハリーの初恋も初キスも知っていますから。(笑)

最後は魔法省に就職するし、結婚するし、子宝に恵まれるし、よかったね。(笑)

 

ほかにも、もともと可愛かったけれど想像以上の絶世の美女へと成長したハーマイオニー役のエマ・ワトソン。役どころだけでなく、女優本人も非常に優秀で、まさにハリーポッターの撮影と並行しながら学業も修め、アメリカのブラウン大学を卒業しています。

顔も特に変わらずムードメーカーな3枚目役のまま成長したロン役のルパート・グリントは、最近現実世界でも結婚と子供ができたことを発表しました。

同じ寮のメンバーであるネビルは、素直で勇気もある子ですが、入学初日から危なっかしくて、なんだかどんくさい。でも、7年間でたくましく成長し、最後にはハリーのいない戦いの中で指揮をとり、ヴォルデモートを滅ぼすための最後の重要な任務を遂行します。

血筋・財力・権力すべてを欲しいままにしているマルフォイ家の一人息子ドラコも、1年生の時は典型的な嫌味なお坊ちゃんとして自信たっぷりの金髪オールバックで登場しましたが、いつのまにか自分と家族が世界を脅かす「悪」の幹部であることや、自らの命の保証の代償として自分が恐ろしい任務を遂行しなくてはならないという事実に、葛藤し、一人涙するシーンも見られます。

 

やっぱり、いくらつながったストーリーでも、映画化されるときにキャストがころころ変わるようでは物語の一貫性も感じられなくなってしまうので、同一キャストの起用は重要ですね。

 

 

 

この良さと、吸い込まれるようなリアルで魅力的な世界観、わかってもらえるでしょうか??